給湯室のOLレベルの話題

声を大にしては話せない。できれば墓場までもってきたい。

そして僕らは一つになる

defy me to do

  

 おれのロードバイクはアルミで出来ている。アルミフレームはその剛性ゆえに振動が強い、異物を排除しようとする拒否反応のようなものが。不快だった。

 

 おれは財布から最も身近にある1000mgのアルミニウムを飲み込んだ。もちろん理屈では意味の無いことだと頭では解っているが、やらずにはいられなかった、同時に人間は正論だけで動いているわけではないことも知ってる。

 イメージ。アルミニウムは胃で溶けて分解され、血液に乗り、全身に行き渡る。イメージ。おれとこいつは同じもので出来ている、拒絶する理由も、される理由もない。

 

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 プラセボなんだろうけど、(むしろ偽薬どころか劇薬に近い気がする。)乗ってみるとなんだかしっとりと、吸いつく。

 時間が経つにつれて、より消化されて、隅々までとどく、体じゅうのありとあらゆる毛細血管にまで行き渡る、だんだんとおれの体とロードバイクとの境目がなくなりる。風を感じる。とけていく。そして。 スピードの惡魔は語りかける。背後から、そっと。

 

 

  汗を拭きながら荒川河川敷で豆乳を飲む。涼しい、そよそよとここち良い。