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給湯室のOLレベルの話題

声を大にしては話せない。できれば墓場までもってきたい。

好き好き大好き超愛していない。

「愛は呪いだ。」
 
10センチもあるピンヒールを脱いだばかりで藤崎は言う。
「夫婦愛、家族愛、友情。そんなものはテレビの中や道徳の教科書のために作られた、架空の聖人君子たちのためだけのものじゃない?」

そう言いながらかき分けた髪からシャネルの香水の匂いが舞い、狭い部屋の空気と混じり合う。


「実際、この世の中で離婚や不倫、虐待、いじめが蔓延っているのは「愛」そのものは人間がもともと持ち合わせて生まれてきていないという証拠になると思う。でも人は愛というものの存在を信じきっているから「本当に愛しているならナントカ」とかあげく「仕事と俺はどっちが大事なんだ」とか言う、架空の愛情に頼りきって足枷になってる、思想のズレを愛が足りないから思いやりがどうとかっていう曖昧で陳腐な言葉で正当化してなんとなく腑に落ちた気でいる。とにかく人は有りもしないのに愛に飢えている、愛の飢餓状態。これは呪いというしかほかナッスィィィ!!そもそも…」

「ちょ、ごめんなんで途中ふなっしー出てきた?」

「いやなんとなく」

「なんとなくならしょうがない、続けて」

そうして夜が過ぎ、私はまた寝不足で出勤した。彼女は夏休みらしく帰らず部屋で眠っている。
間違いなくこれは呪いだ。