ソボボボボボ、祖母
祖母は長男以外は家を継がないから外の世界は厳しいから今のうちに言っとかかねば!と私にはすごく強くあたる人だった。
兄弟で喧嘩になった時、私のオヤツを盗むとか明らかに兄が悪いのに私の方が責められて責められて涙と鼻汁がありえないほど出て過呼吸になって口より上から流れる液が喉を潤してくれて あ、これ自給自足だな。って思ってしまう感じになっても怒号を浴びせてくる感じのガイキチタイプのおばあちゃんだった。
おばあちゃんは私のことが単に嫌いだと思っていた。だから体のいいイビる言い訳をしているのだと思っていた。
私も彼女が嫌いだった。
というか好きになれるポイントがわたしにとって一つもなかった。
そんなおばあちゃんが認知症になった。
大学4年生のとき、私が教育実習で実家に1ヶ月ほど滞在していたのだけどある日、母から
「おばあちゃんがどっか行った!!」
と電話が来た、学校にいた私は事情を説明して早退させていただいた。結果私が家につく前に近所の人に保護されていた。
とんだ無駄足だったわけだが、
おばあちゃんは近所のオジサンに押さえつけられながら
「イイイが小学校から帰ってこね!車に轢がれでっかもしんねじゃ!!」
「こんなことしてる場合でね、オイが探さねば!!」
「あの子はこんな糞田舎で腐らせていいヤツじゃね、すんげー人間になるった!」
って血相変えて叫んでいた。
なんだ、このババア、ツンデレかよ。痴呆なってからデレてどうすんだクソババア。
ってあの日と同じく嗚咽しながらおぶって帰った。
あなたの孫でよかったと思った。
ごめん私3流大学にしか行けなくて、ごめん私しょうもない人間に育ってしまって。何者でもない代替のきく人間にしかなれなかったごめんごめんねおばあちゃん。