夏のノクターン
「君の右足は、もう切断するしかない」
医者はレントゲン写真を見ながらそう言った
中1の夏だった。
セミの声が診断室まで届いている。みんみん。お気楽な必死声
おお看護師よそんな顔しないでくれ俺はまだ生きてるぞ。
自身の背中に伝う体液が、冷や汗なのか、夏によるそれなのか、わからなかった。
というか何もわからなかった。
わかりたくなかった。
ひたすらに早い 私だけの卒業式だった。
「君の右足は、もう切断するしかない」
医者はレントゲン写真を見ながらそう言った
中1の夏だった。
セミの声が診断室まで届いている。みんみん。お気楽な必死声
おお看護師よそんな顔しないでくれ俺はまだ生きてるぞ。
自身の背中に伝う体液が、冷や汗なのか、夏によるそれなのか、わからなかった。
というか何もわからなかった。
わかりたくなかった。
ひたすらに早い 私だけの卒業式だった。